司会のウラワザ

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司会者のいない宮中午餐会

d0054785_1731235.jpg先日5月27日宮内庁「連翆の間」において、ブラジル大統領をお迎えして宮中午餐会がありました。
縁あって、私は午餐会の配膳要員(ウェイター)として食事のサービスをして参りました。

天皇陛下主催のこの午餐会には、皇后陛下をはじめ皇太子、紀宮様等皇族の方々、宮内庁関係者、そして外務大臣はじめ両国の外交団の方々総勢30数名の出席でした。
食事は、天皇陛下が、ご自身のテーブルナプキンを手にした時にスタートします。取り仕切る人は誰もいません。天皇陛下のアクションが合図です。

食事の進行は、出席者のお料理のお召し上がり具合を見て、主膳長(料理サービス全体の流れをリードする人)のサインで、料理サービスがおこなわれ、食事のコースが進んでいきます。主膳長も一言もしゃべりません。

午餐会には特にセレモニーはありませんが,「乾杯」があります。メインディッシュを食べ終わったところで、乾杯用のシャンパンが配られます。全員にシャンパンが行き届いた時、主膳長からのサインを受けた式部官が、天皇陛下の近くに進み、陛下の耳元で一言ささやきます。
陛下は着席のまま、ご自身のシャンパングラスをおもむろに目の高さまで掲げ、全体に視線を配っていきます。
陛下の「乾杯しましょう」という意思が、あっという間にさざなみのように広がっていき、わずか数秒のうちに、全員がグラスを持って,陛下に視線を合わせていきます。そこで陛下は柔らかな笑みを浮かべ,グラスをさらに掲げ「乾杯」となります。

誰も「かんぱーい」などと言いません。黙って乾杯です。互いに視線をあわせ、笑みをたたえ、杯を掲げる・・・。これが「サイレントトースト」だそうです。

ここにもやはり司会者は不在です。
主膳長のサイン・式部官のひとことの耳打ち・陛下のグラスを掲げる行為が、場面の展開をリードしているわけです。

私はここに、「司会の本質」があるような気がしてならないのです。

宮中午餐会と結婚披露宴を同じ土俵に乗せるつもりはありませんが、選び抜かれたたった一言と、司会者の意図した意味のある動きふるまいがあれば、宴は十分進んで行きます。

初めて司会をする方々、そしてプロ司会の新人の方々、たくさんしゃべる必要は一切ないのです。
必要最小限の吟味された言葉を、用意すれば大丈夫です。
前回書いたとおり、披露宴のオープニングは、たった一言「新郎新婦の入場です」だけでいいのです。
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by qqbh8530 | 2005-05-30 22:20 | 司会

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