心を亡くして忘れる
私は親戚の叔父さんとちょっとした約束をしました。
私はそれをすっかり忘れていました。
叔父さんは叔父さんで、私が約束を果たすのをじっと待って、私には何も言わず時は流れていきます。
私はその約束を忘れているのですから、いつになっても約束は果たされる事はありません。
結局時期が来て、叔父さんはあきらめます。
叔父さんにとっては、なにか私に裏切られた形となり、不快感を持ったようです。当然のことと思います。
幸いな事に、従兄弟を介して<叔父さんの不快感>を知る事ができ、私はその時初めて約束を思い出しました。
瞬間、私の中には、言ってくれればよかったのに・・という思いが出てきましたが、それを言ったところで、叔父さんの、約束を破られた不快感はそのまま残るわけですから、何の解決にもなりません。
素直に「ごめんなさい」と謝りました。
司会をしていても同じような失敗をしています。
披露宴当日、開宴前のあわただしい時、新郎母から「今日はうちのおじいちゃんおばあちゃんの結婚記念日ですの、後々で結構ですから、時間がありましたらお披露目して下さいね」と依頼がありました。
時間がありましたらお披露目下さいね・・は、時間を作ってぜひご披露して下さい、おじいちゃんおばあちゃんが喜びますから・・と真意を読み取らねばなりません。
にもかかわらず、私はすっかり忘れてしまいました。
披露宴が終わり、自宅に帰ってくつろいでいる時に初めて「はっ!」と思い出したのです。
すぐに、電話で丁重に謝罪しました。
案の定ご両親はご立腹でした。
さすがにこの時ばかりは、自分の中の「宴の終了前にでも一言言って下さればよかったのに・・」という思いは即座に打ち消しました。
忘れてしまった・・は言い訳にもなりません。
この2つの事例から学びはたくさんあります。
忘れるという字は、心を亡(な)くすと書きます。
*約束は心してする。
*心亡く、してしまう約束は、きっと忘れる。
忘れっぽい体質は致しかたありません。
忘れない工夫はできます。
できる限りその時その場で、その約束をメモする。
これをしっかり身に付けなければなりません。
そのメモがどこにあるのかわからないようになってしまったら、その時は私も引退を考えなければなりません!ハイ
photo by Tomo.Yun
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