司会のウラワザ その28 中庸を大切に
ある披露宴での事。
新郎の中学時代からの親友のスピーチが始まりました。
時折遭遇する、新郎をちょっとけなして笑いを取るパターンです。
スピーチをする当の本人は親しみを込めて言っている(けなしている)つもりです。
友人達にはウケています。全体的にはややウケの感じです。
ところが一人だけ、このスピーチを不愉快に感じている方がいらっしゃいます。どなただと思いますか・・・?
新郎のお母さんです。我が息子を大切に大切に育ててきたお母さんです。
新郎と友人の間には、親しみと許しあえる人間関係ができていますので、新郎をけなす事もジョークの範疇で楽しめるわけです。
ところがお母さんにとっては、息子と友人の親密度が見えない分、なにか自分の息子がばかにされているように感じてしまいます。そしてそれを親戚の者にも見られてしまっている・・・そんな思いにかられ、それでもお母さんは、このスピーチに静かに耐えるわけです。
これは実際に聞いた話です。
そんなお母さんの気持ちをしっかり感じ取れるようになった時、初めて司会者は「中庸」の立場を取ることができるのではないでしょうか。
ウケている人、ややウケの人、ちょっぴり不愉快に感じている人・・・どの人にもどの感じ方にも片寄らず「中庸」を旨とする司会をしたいものです。
同じように新婦が主役で、新郎は添え物のようなイメージを連想させる披露宴もよくあります。こんな時もまた、司会者は「中庸」を旨として、全体のバランスを整えなければなりません。
中庸を大切に・・司会のウラワザに入れたいと思います。
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