キャプテンとうまくやるコツ
担当キャプテンは、以前新宿のホテルでお世話になった方でした。
会の途中、追悼の言葉が始まりました。
私が「ここはBGMを止めてほしいな・・」と彼を見ると、すっと目が合います。私は天井のスピーカーあたりを小さく指差します。彼は頷き、すぐにBGMのボリュームを絞って下さる・・。
以心伝心・・、ベテランの機転の利いたキャプテンぶりに、改めて脱帽し、心からお礼を申し上げました。
さて、そういった酸いも甘いも噛み分けたベテランのキャプテンばかりならいいのですが、なかなかそうもいきません。
不慣れでいっぱいいっぱいのキャプテンもいます。
責任感の表れか、言葉がきついキャプテンもいます。
また、真摯にキャプテン道に励むからこそでしょうか、必要以上に司会の分野に入り込んでくるキャプテンもいます。
それゆえ、時に、司会者として彼らのひとことに傷ついたり、振り回されたり、カチンときたりすることもあります。そんな時、その彼を恨んでみても、口答えしても、無視しても、結局は関係悪化を助長し、何の解決にもなりません。
そこで、キャプテンとうまくやるコツです。
何か嫌味を言われても、何かきつく言われても、ちょっとしたことで険悪なムードになったとしても、とにかく、次の瞬間、何事もなかった如く、素直に「ハイ」と言います。素直に「ごめんなさい」を言います。素直に「有り難うございます」と言います。
イメージとしては、NHK朝ドラ 「てっぱん」の瀧本美織演じるヒロイン村上あかりのような<明るさと屈託のなさ>です。
何か言われて(随分だなぁ・・)と不愉快な顔をすると、それを見たキャプテンの言葉はますます荒れてきます。
とにかく何かあっても何事もなかった如く、普通に接します。これにつきます。これさえ押さえれば、「売り言葉に買い言葉」的な、最悪な状況は避けることができます。
それでもつい、けんかを仕掛けそうになってしまったら、会場全体や、一触即発直前の自分とキャプテンを、天井の隅からもう一人の自分が、客観的に眺めているところを想像して下さい。
はやる気持ちにブレーキがかかり、今、何が必要か見えてくるはずです。
司会の仕事は、時に静かに耐え忍ぶことも必要に思います。