司会のウラワザ

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よりよい人生をめざして                       

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噛み噛みの司会は辛い

司会は大好きでも、怖いと感じている方がたくさんいらっしゃると思います。
披露宴の新人司会者が、紹介内容を間違えたり、言葉を噛んだりすることが多いと、会場側から所属事務所にクレームが入ります。
『あの司会者、ちょっと使えないね・・』なんて言われることもあり、そうなると出入り禁止となる可能性もあるわけです。
事務所の方も、未熟な司会者を送った瑕疵(かし)を認めざるを得ず、信用問題にもなってきます。

お客様からのクレームならともかく、会場側の評価でそのようになってしまう・・・。なかなか厳しいところです。
実は私も、新人のころそういうことで随分苦労しましたので、悩む司会者の気持ちは手に取るように分ります。お気持ちは重々お察し致します・・といったところでしょうか。

新人司会者のスタートは、下手でもなんでも、とにもかくにも、たとえ会場側からなんと言われようとも・・、最低限、
両家名・新郎新婦の名前・主賓の方の肩書き氏名・進行順等のポイントとなるコメントを間違えない事でしょう。それは繰り返しの練習で補えるはずです。

私の尊敬するホテルグランドパレス 元シェフの堤野氏は、コック見習いの頃、『ジャガイモ10個剥くより100個剥いた方がうまくなる』と、休憩時間も惜しんで調理場に残り、一人芋剥きの練習をしたそうです。
司会も同じではないでしょうか?何十回何百回とそらで言えるくらい、細胞に沁みこむくらいに、徹底して練習し、練習し、そして練習する・・。
凡人の自覚がある方は、そして一流のプロ司会者を目指すならば、そのくらいの気概が必要だと思います。


人間は、<間違いを侵す>動物です。
トーキングマシーンではないのですから、ちょっとした刺激や環境の変化でトチってしまう事は、何年やってもあるわけです。
それでも最低限「間違えない努力」と、それでもなお間違えてしまった場合の「誠実なフォローの仕方」を、プロ司会者なら身に付けていかなければなりません。


ただ、噛んだりする事は、そんなに全面的に本当に悪い事でしょうか?
もちろんコマーシャル録りや演劇の舞台、またTVドラマの台詞は、噛んだり間違えたりしたら全く話しになりませんが、ことアトホームな披露宴やパーティーに限定すれば、司会者が少々噛んだり間違えたりするほうがかえっていい雰囲気になる事だってありえるのです。
私なんかちょくちょくトチリます。そういう自分を自分で笑ってしまうこともあり、それにつられてお客さんも笑ってしまい、逆に応援してくれる事もあります。


言葉を噛んだり、詰まってしまうのは、何故でしょうか?
何で噛むんだと言われても、私もわかりません。この悩みの解決法は見つかりません。

ただ、しいて言えば,
噛んだり詰まったりすることは<仕方がないと腹を括ってあきらめる事>ではないでしょうか?
噛んだらどうしよう?詰まったらどうしよう?と、悩んでも、何の解決にもなりません。

どんなに練習していても、噛む時は噛みます。詰まる時は詰まってしまうのです。
司会者に必要な繊細な神経があればあるほど、ちょっとしたお客様のため息や表情を敏感に感じ取り・・、つい・・やってしまうのです。本当です。

たとえ噛んでも、詰まっても、失敗しても『いいじゃないか、人間だもの』と自身に言い聞かせて、さっさと切り替え、謝るところは謝り、2度と間違えないように練習する・・。そうやってミスの数を少しづつ減らしていく・・。後は、笑顔で何事もなっかったように明るく振舞う・・。

ただ・・、そう出来なくてもいいのです!
そう振舞おうと努力するところに、実は深い深い意味があると思っています。

どんな意味があるのか・・?といいますと、それは、真剣に意識的に努力すれば必ず分ります。
必ず分るはずです。
必死に努力して「あぁ、そうだったのか」と、心から実感できることがあるのです!

残された道は、あまり考えすぎずに、やるべきことを徹底的にこれでもか、これでもかというくらい・・・。
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by qqbh8530 | 2009-09-21 13:11 | 司会

上達は亀の歩み

ブログを読み返してみました。
あまりクレームの話ばかりでは、なんだか夢がありませんね。
今日は一息入れて、以前このブログでアップした記事を若干修正して再アップしてみます。
披露宴司会の新人の方々に、少しでも参考になれば嬉しいです。


飛騨高山に住む春慶塗りの名手 谷正利氏 曰く、
「使えば使うほど底づやの出てくる漆器を作るには、下塗りが必要です。

まず豆汁(ごじる)を塗って下地を作る。ついで漆の下塗りをする。

2ヶ月ほど寝かせてからまた下塗りをする。5度も6度も下塗りを繰り返す

そういう丁寧な仕事のあとに上塗りをします。
あのやや黄みをおびた琥珀の色つやはそうして生まれるのです。」
(辰野和男「文章の書き方」より、仲澤の解釈でP2を抜粋要約致しました)

辰野氏はこう続けます・・「文章でも、同じ事が言えるのではないでしょうか」と。
私はこう続けたいです・・「司会でも同じ事が言えるのではないでしょうか」と。

一朝一夕、にわか作りの作品は、味も素っ気もない・・という風に今の私は感じています。
天性の素質に恵まれ、デビューしてから瞬く間に売れっ子になる司会者もいます。そういう方は別格です。そういうお方と自分を一緒に考えてはいけません。

私は凡人です。
あなたは如何ですか?もし凡人だと思えるなら、私とお仲間です。凡人は凡人なりの努力が必要です。
ならば、凡人として、どういう努力が必要か・・それを示して下さっているのが、上記の谷さんの<春慶塗り>だと思うのです。

あせらないで下さい!
「花の咲かない時々は下へ下へと根を伸ばす・・」というじゃありませんか。
天才を除き、ほとんどの人が、なかなか上達しない時期を必ず迎えます。

どうぞあせらないで下さい!
ひとつひとつの失敗は、次に良くなる宿題です。けんかだって仲良くなる為にするのです。
たくさんの宿題を丁寧に片付けて、自分の<裾野>を広げて下さい。司会の力を付けて下さい。

そうして時間をかけて、本当の味のある司会者になってください。
そうです・・一歩一歩着実に<亀の歩み>が大切だと思うのです。

最初に楽をすれば後で必ず苦労します。どうでもいいような事に振り回されて、次から次へと悪い循環の苦労をします。
反対に、最初に苦労をすれば、あとで楽になるかというと、そうでもありません。人生の妙とでもいいましょうか・・。
それでも最初に苦労しておくと、そのあとも苦労は続きますが、その苦労は、よりよい司会になる為の好循環の苦労です。
苦労しがいのある苦労です。成長につながる苦労なのです。

苦しくなったら「その壁の向こうに夢を・・」見ます。
ツルは千年、亀は万年・・ゆっくりしっかりは長寿の元!
息の長ーい本当のプロ司会者になって下さい。あなたなら大丈夫!
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by qqbh8530 | 2009-09-10 09:21 | 司会

感情と事柄の区別

披露宴司会の新人の方々へ
この夏は、何回か、私の受けたクレームを思い切って告白したいと思います。また漏れ聞いた実際に有ったクレームもあわせてご紹介したいと思います。参考になるものがあれば、ぜひ役立てて下さい。


私の新人の頃のクレームです。
新郎新婦共に大変忙しい方で、とうとう披露宴5日前の打ち合わせです。その日も新郎は海外出張から帰国が遅れていて、この日の打ち合わせには間に合いそうもありません。

新婦は自分でもおっしゃっていたのですがとても勝気な方で、友人達の披露宴に絶対負けたくない・・と何回かこぼしてきます。
彼女はすこし早口で、少々高いトーンの声質。
これも言ってほしい、あれも言ってほしいと、話はかなり広範囲にわたり、私には一体彼女は何を言いたいのか・・、司会の私に何を紹介してほしいのか・・、なかなかキャッチできない状況がしばらく続きました。

とうとう私は我慢ができなくなって、つい彼女にこんなことを言ってしまいました。
「いったい何を紹介すればいいのか、私には良く把握できません。箇条書きにして頂いて、当日でも結構ですから私に渡して下さい」と。
一瞬間(ま)をおいて、彼女はとうとう泣き出してしまいました。プランナーはびっくりして飛んできました・・。全く持って私の未熟さです。


このことをきっかけに、私は心理カウンセラーの勉強をはじめました。
今ならもう少し違う対応が出来そうです。

とにかく彼女は、披露宴が近いのに、まだ決まっていないことがあまりに多く、不安とあせりと苛立ちで、かなりのストレス状態だったのでしょう。
まずは、そういった感情面を、ゆっくりと受容して差し上げるべきでした。
不安や焦りといった感情に耳を傾け「そうですか、大変ですね、よく頑張っておられますね」と共感を持って聞くべきでした。

感情面の整理が付いたところで、今度は「事柄」の整理です。
彼女は、一つの事を伝えようとする時、その出来事にかかわるすべての事(その背景、登場人物像、そのときの感情、その後の展開・・ほか)等、何から何まで完璧にすべてを説明しようとする傾向が有ります。
こういった場合は、進行表にそって聞いていくと少しは整理しやすくなるのではないでしょうか?
話が広がりすぎたり焦点がぼやけてきたら、「〇〇さん、ここで少し整理させて頂いて宜しいですか」とお伺いしながら、進行表のどの位置のことを今話しているのかをお互いに確認しながら、打ち合わせを進めていくのです。
不安や焦燥といった「感情」と、披露宴で伝えてほしい「事柄」を分けて対応する・・この技術を心理カウンセラーの講義で学びました。

20年以上も前のことですが、彼女に心から謝らなければなりません。
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by qqbh8530 | 2009-09-02 10:37 | 司会

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