司会のウラワザ

qqbh8529.exblog.jp

よりよい人生をめざして                       

<   2005年 05月 ( 2 )   > この月の画像一覧

d0054785_1731235.jpg先日5月27日宮内庁「連翆の間」において、ブラジル大統領をお迎えして宮中午餐会がありました。
縁あって、私は午餐会の配膳要員(ウェイター)として食事のサービスをして参りました。

天皇陛下主催のこの午餐会には、皇后陛下をはじめ皇太子、紀宮様等皇族の方々、宮内庁関係者、そして外務大臣はじめ両国の外交団の方々総勢30数名の出席でした。
食事は、天皇陛下が、ご自身のテーブルナプキンを手にした時にスタートします。取り仕切る人は誰もいません。天皇陛下のアクションが合図です。

食事の進行は、出席者のお料理のお召し上がり具合を見て、主膳長(料理サービス全体の流れをリードする人)のサインで、料理サービスがおこなわれ、食事のコースが進んでいきます。主膳長も一言もしゃべりません。

午餐会には特にセレモニーはありませんが,「乾杯」があります。メインディッシュを食べ終わったところで、乾杯用のシャンパンが配られます。全員にシャンパンが行き届いた時、主膳長からのサインを受けた式部官が、天皇陛下の近くに進み、陛下の耳元で一言ささやきます。
陛下は着席のまま、ご自身のシャンパングラスをおもむろに目の高さまで掲げ、全体に視線を配っていきます。
陛下の「乾杯しましょう」という意思が、あっという間にさざなみのように広がっていき、わずか数秒のうちに、全員がグラスを持って,陛下に視線を合わせていきます。そこで陛下は柔らかな笑みを浮かべ,グラスをさらに掲げ「乾杯」となります。

誰も「かんぱーい」などと言いません。黙って乾杯です。互いに視線をあわせ、笑みをたたえ、杯を掲げる・・・。これが「サイレントトースト」だそうです。

ここにもやはり司会者は不在です。
主膳長のサイン・式部官のひとことの耳打ち・陛下のグラスを掲げる行為が、場面の展開をリードしているわけです。

私はここに、「司会の本質」があるような気がしてならないのです。

宮中午餐会と結婚披露宴を同じ土俵に乗せるつもりはありませんが、選び抜かれたたった一言と、司会者の意図した意味のある動きふるまいがあれば、宴は十分進んで行きます。

初めて司会をする方々、そしてプロ司会の新人の方々、たくさんしゃべる必要は一切ないのです。
必要最小限の吟味された言葉を、用意すれば大丈夫です。
前回書いたとおり、披露宴のオープニングは、たった一言「新郎新婦の入場です」だけでいいのです。
[PR]
by qqbh8530 | 2005-05-30 22:20 | 司会

司会のコツ

d0054785_1654496.jpg 司会歴20年、主に結婚披露宴の司会を約2000組以上。一組一組が私にとっては、貴重な体験でした。ただ組数自体にはあまり意味がありません。司会はベテランらしい、というラベルを貼ることができる位のことです。大切なのは司会の質です。

私はもともとホテルのウェイターです。
ウェイターの仕事をしながら、たくさんの司会者の進行ぶりを見聞きしてきました。
あの人みたいな司会をしてみたい、あんな司会は絶対したくない、そういった思いの一つ一つの積み重ねが、今の私の司会スタイルを作っています。
今は亡き逸見政孝さんをはじめ、キー局のアナウンサーの司会もたくさん見る機会に恵まれました。さすがにアナウンサーは、発音・発声・プレゼンテーション力等々素晴らしいの一言でした。
ただ披露宴の独特の流れには、今一つ乗り切れないでいる姿を垣間見ることもあったように思います。
そんな経験を通して、「司会のコツ」について考えてみたいと思います。

「司会のコツ」の類の本は多数出版されています。
そのほとんどが、プロの視点からみた、より良い司会をするための「コツ」が書かれています。同じプロの私も、大変参考になることがたくさんあります。ただその類の本を読めば読むほど、ひとつの疑問が沸き起こります。
本の著者の方々は、読者の対象を絞っていないのではないか・・・という疑問です。幅広い読者層を対象にしているとは、思いますが、しろうとの方々には情報過多であることは、明白です。

私だったらどのレベルの司会者を対称に書いたのかを明確にします。そしてなれてない方々には、それなりの本をお薦めします。、・・・あれ・・そういう本はまだ見たことがないなあー。では、私が喜んで書いてみましょう・・ということでこのコラムは誕生しました。

あくまで、はじめて披露宴の司会をやる方々を対象に書いていこうと思っていますが、せっかくですので、付加価値として超ベテランの方々が読んでも,意味のある内容にしていきたい・・・そんな気持ちでトライしてみます。

いきなりですが、新郎新婦入場の場面です。

「本日は皆様お忙しいところ、ご出席くださいまして、誠に有難うございます。これから新郎新婦が入場します。カメラをお持ちの方どうぞご準備下さい。それでは新郎新婦の入場です。」と、ある本には書いてありました。
これでも短いほうです。それでも初めての方には、長すぎるコメントです。
本当はたった一言「新郎新婦の入場です」だけで十分なのです。 
[PR]
by qqbh8530 | 2005-05-22 01:25 | 司会

よりよい人生をめざして                       


by qqbh8530