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司会のウラワザ

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おもてなしの心・・・その3

司会歴20年、ウエイター歴25年・・・2足のわらじを履きながら今日までやってきました。
どちらも接客業です。
長い間続けていると、この仕事を通して<おもてなしの心>が見えてきます。

縁あって、宮中をはじめ都内各ホテルで、皇族方や著名人の食事のサービスをすることがあります。その時いつも必ず<おもてなしの心>を学んできます。

今日は<音楽>に関してお話させて頂きます。

宮中午餐会も宮中晩餐会もバイオリンをはじめとする<弦楽器の生演奏>が会場内に流れます。

たとえば宮中晩餐会、テレビでもよく放映されますがそのオープニング、
天皇陛下の歓迎のお言葉のあと、相手国の国歌が演奏されます。
さらに続けて、答辞として相手国の大統領のご挨拶が終わると、日本の国歌が演奏されます。
自国代表のお言葉のあとに相手国の国歌に耳を傾け味あう。ここに両国間の友好の<象徴>を見ます。

しばらくして、食事のコースが程よく進んだところで、相手国の童謡や民謡など懐かしい曲が演奏されます。またしばらくすると今度は日本の古くから伝わる懐かしい曲が演奏されます。
曲名や作曲者名や曲順は1枚のペーパーにプリントされそれぞれの席に置かれています。

後半メインディッシュのお肉の料理のあと、デザートコースの前に、セレモニーの「乾杯」があります。(どちらかというとオープニングセレモニーで乾杯が行われるケースが多いのですが・・便宜上ここでの乾杯のケースをご案内します)
お客様同士、目と目を合わせ、シャンパングラスを若干目線より上に掲げ<かんぱい>します。
<かんぱい>と声に出さないで黙って乾杯する<サイレントトースト>です。
この乾杯の瞬間にまた曲が演奏されます。

乾杯のあとデザートコース、メロン等のフルーツのコースが終わると全員別室に移ります。

その移動の時始めて大きなふすまが開けられ、楽団員のお披露目です。ふすま1枚隔てた部屋の向こうに楽団員は控えていたのです。
お客様は、その楽団の指揮者とひとことふたこと会話を交わしながら別室へ移動し、そこで食後酒やコーヒー紅茶のサービスを受けるわけです。


弦楽の演奏は20人から30人位の編成です。
大きなふすま状の引き戸1枚に仕切られた奥の1室に控えています。
食事中は直接お客様からは見ることができません。
タイムキーパーの合図で演奏をスタートし、演奏を終えます。

どこからともなく流れ聞こえるなつかしの曲、静かに確かに伝わってくる音楽の情感、

決してうるさすぎず、寂しすぎず料理のコースやセレモニーのスタートにあわせて、絶妙なタイミングで、ちょうどいい音量で流れてきます。

まさに芸術です。

私はここに<おもてなしの心>を感じます。

食事がより楽しく進むように・・・、会話がより弾むように・・・、そして会話の邪魔にならぬように・・・
お客様のことを第1に考え、お客様のことを思いやり、気を配りそして心を配る。
主催者側のおもてなしの心が伝わってきます。

<音楽のおもてなし>・・音楽は友好の象徴です。そしてみんなの気持ちを一つにします


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by qqbh8530 | 2006-03-10 22:23 | ウエイター

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by こうちゃん