オウム返し技法
俵万智 「サラダ記念日」 より。
幼児が「ママおなかすいた」と言えば、「○○ちゃん、おなかすいたのね」とお母さん。
「もうぺこぺこ」といえば「そう、おなかぺこぺこなのね」とお母さんは答えます。
また、上記の一首のように
彼(彼女)が「寒いね」と言えば彼女(彼)が「寒いね」と答える。
「おなかがすいた」「ぺこぺこ」「寒いね」というそれぞれの「キーワード」を、ただ繰り返すだけで、母と子(彼と彼女)は、気持ちが通い合います。
このことを詳しく説明してくれる本に出会いました。その一部を原文のまま記してみます。
*カウンセラーが用いる「オウム返し技法」
たとえばオウムがそのまま復唱するように、
「昨日とても辛かったんだよ・・・」というと「辛かったのですね」
「もうしんどくて・・・」「しんどいのですね」
一見不自然のように感じるかもしれませんが、「共感」という考え方からみると大変重要なことなのです。
私達は、自分の言った言葉をそのままオウム返しされることで、自分の考え方が相手に伝わっている喜びを、実感をもって感じることができます。
辛いとか哀しいという感情は、なかなか言葉には出せないものです。ですからなおさら「辛い」とか「大変だ」と言う感情をオウム返ししてあげると、「自分の気持ちをよくわかっていてくれる」と思えるんです。
・・・・・・相手が言った言葉をただそのまま復唱するということは、とてもシンプルで、かつ実践しやすい方法です。
<コミュニケーションが上手になる技術 浮世満理子著 あさ出版> P50~P51にかけて、仲澤の都合で要所を抜粋し、記しました。
オウム返し技法を使うと、
話し手の思考が整理されていく・・・という利点もあるそうです。
いずれにしても、この「オウム返し技法」はシンプルで簡単で即効性のあるスグレモノのように思います。
冒頭の一首のように、
相手の「寒いね」を「寒いね」と繰り返しただけなのに、二人の心が通い合うんですから・・・。
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