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司会のウラワザ

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利休の朝顔

ホテル宴会場の壁紙はほとんど無地に近い淡い色が多いそうです。
おかげで新婦のドレスがとても引き立ち見栄えがするようです。

同じくホテルのテーブルクロスの色は、ホワイトが一番多いそうです。
色とりどりの料理が映(は)える、赤ワインの赤も尚一層きれいに映(うつ)るからだそうです。もちろんほかの理由もたくさんあるでしょうが・・。

先輩から聞いたある地方での結婚披露宴、若い新郎新婦は、今迄参加した友人たちの披露宴の「いいところ」を全部自分たちの披露宴に取り入れました。さらにゼクシィ等の婚礼情報雑誌からのアイディアも、いいと思えるものは、あれもこれもそれもと進行表に書き込んできたそうです。
そこまではいかないまでも、似たような披露宴を担当したことがありました。「もりもりだくさんの披露宴」の評判や評価は、微妙に分かれるところですが、私は一つ一つの催しものの「いいところ」が、お互いにぶつかり合って、その一つ一つの良さが見えずらくなってきてしまったような気がしました。

時折新郎新婦の学生時代の恩師が祝辞をします。思い出をひとつふたつ話すうちに、先生もノッテくるのでしょう、あれもこれもと話がどんどん広がってながーい祝辞になることがあります。結局話の焦点がぼけてきてしまい、いま一つの祝辞になってしまいます。これももったいない話です。

そんなことをつらつらと考えているうちに、「利休の朝顔」の話を思い出しました。
私の記憶のままに記してみます。

・・・・・その当時珍しい花とされていた「朝顔」。
咲き誇る「朝顔」をぜひ見せて欲しいと、太閤秀吉は千利休の自宅を訪れる。
ところが目当ての「朝顔」はどこにも見当たらない。
秀吉は不愉快な面持ちで、利休の茶室に入る。
薄暗い部屋の暗がりに一輪の「朝顔」が咲いている。
その「朝顔」は障子越しの朝の光をやさしく受けて静かに咲いている。
そこには他の調度品は一切なく、もちろん掛け軸もなく、何もない空間にただただ一つだけ、ただただ一輪だけの「朝顔の花」がかざってあったのです。
この一輪の「朝顔」の為だけに、利休は秀吉が到着する前に、庭に咲いた朝顔を全部摘み取ったのです。
「朝顔」を生涯忘れられないほどの「美しい姿」でごらんにいれようとする、激しくもあり厳しくもある利休の「おもてなしの心」が伝わってくるような気がします。

結婚披露宴・・・超盛りだくさんの催しもので、皆で参加して楽しむそんな披露宴もまたそれはそれでいいものです。
そしてまた、その対極にあるのが、「シンプルな披露宴」。
それでもシンプルの中にも一つだけ一つだけキラリと光る余興を組み入れる・・・これがまた、粋で、品格があり、披露宴の一つの形だと思います。
「利休の朝顔」に学ぶ゙ところはまだまだたくさんありそうな気がしています。

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by qqbh8530 | 2005-12-13 01:46 | 司会

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