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司会のウラワザ

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林真理子氏講演会

林真理子さんの講演会
先日、山梨市民会館で開催された、山梨市出身の直木賞作家 林真理子さんの講演会に行って参りました。
出不精の私ですが、林さんのファンであり、講演会のタイトル「小説を書く時間(とき)」にも惹かれ、、講演会の司会進行にも興味が有り、ワクワクしながら行って参りました。

式次第は、司会より協賛団体等の紹介、開会の言葉、来賓祝辞、講師紹介、そしていよいよ林先生の登場 講演スタートといった順番でした。

司会者は主催者側の男性で、余計なことは一切言わず、シンプルイズザベストで、会の進行のみに徹し非常に好感が持てました。

私は、ことあるごとに、何度も何度も、司会者はただただ開演を告げるだけでいい、冒頭で、何か一つ二つ気のきいたことを言おうとするのはやめよう・・と言い続けてきました。

今回も全くその通りでした。
司会者は、会のスタートのみを宣言し、なんら気のきいた言葉や、季節感漂う枕詞も一切有りませんでした。
だからこそ、だからこそであります!
来賓のトップ山梨市長の祝辞の冒頭、
『木(こ)の葉、日一日と色づき、清清しい毎日を送っていることと思います』の出だしが、はっきりとした輪郭を持って、聴衆に届いた・・と私は思っています。

やはり講演会の司会は、来賓挨拶などがある場合はなおさらのこと、進行のみに徹するべきだ・・という持論が少しは証明できたようで、なんだか嬉しくなりました。

整理します。
例えばの、装飾の多いMCをスリムにしていく一例です。
『大変お待たせ致しました。昨夜からの雨で、尚一層深まりゆく秋を感じる今日この頃、木の葉も色付き、大変清清しい秋の一日を迎えております。それでは只今より、直木賞作家 林真理子先生の講演会を開催致します』
上記の<尚一層深まりゆく・・>のセンテンスを思い切って削除し、スリムにしてみます。
代わりに『大変お待たせ致しました。只今より、直木賞作家 林真理子先生の講演会を開催致します』だけに絞りきります。これで完成です。

来賓の方はもちろんのこと講師もまた同じように、いきなり本題にはまず入りません。
必ず季節にふれ、今朝の新聞のトピックなどを話しながら、本論へとつないでいきます。
そう考えると、司会者は安心してシンプルイズザベストで臨んでいいことになります。
またそう考えると、司会は進行のみに徹し、主賓や講師に<枕の言葉を譲る>のは、司会者としてのマナーとさえ思えてきます。


当時、家賃8600円、就職浪人の林真理子氏、たまたま同じアパートにいたコピーライターとの出会いが林さんの人生を大きく動かします。天才コピーライター糸井重里氏への弟子入り、瀬戸内寂聴・浅岡ルリコ・渡辺淳一・小泉純一郎元首相ほか著名人との交友関係や、文壇の裏話、またある時期からTVマスコミの露出を控え、作家活動に専念し始めた話し等、興味深い話が続き、あっという間の2時間でした。

講演が終わり主催者から林先生に大きな大きな花束が渡されました。
受け取った花束の花の部分は、客席とは反対側に向いており、どんな花だかよく見えません。
その時です。林先生は、観客席にその花の美しさが見えるように、さりげなく花束を持ち変えて下さいました。
まるで、林先生が『こんなに素敵な花束を頂戴しましたよ』と観客席に見せて下さっているように思えたのです。

あのお花のように、なにか美しい、 いい時間で有りました。
by qqbh8530 | 2009-10-26 13:49 | 司会

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by こうちゃん